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2016年3月 9日 (水)

親日派のための弁明

親日派のための弁明   キム・ワンソプ

 

まえから気になってた本なんですが、やっと読みました。

 

初版は2002年なんですね、もっと早く読んどくべきでした。

 

これは韓国人の著者が韓国人向けに韓国で出版したものを日本語訳で出した本です。
とうぜん著者は韓国人ですが、日本人よりも近代日本の歴史については詳しいと思われます。

戦後の日本は占領政策によってかなりゆがめられた教育がなされていたことは間違いないでしょう。特に歴史に関してはよく言われる「自虐史観」というものにのっとって日本の近代史を教えてる。
自分も普通に日本の義務教育と高校、大学まで一応行きましたが、日本の歴史教育は江戸時代までの分量が厚くて、近代史は駆け足で教えるだけで詳しくない。しかも明治維新後は欧米列強に並び立つまでは良いけど、その後戦争に突き進むところからは、完全に「悪者の日本」という見方でしか歴史が語られない。この辺はやはり残念ですね。日本人が日本の近代史を学ぼうと思うと、個人的にいろいろな本を読まないと詳しいところが解らない。しかしその近代史の本もちゃんと選ばないと自虐史観に基づいて書かれてると世界の中の日本の本当の姿が解らないという難しいことになってますね。

日本人は外国と接することがほとんどないので、日本のことが客観的には見えない。だから日本のことは一旦日本を出て外から見た方がよく見えるというのは本当だと思います。

そしてこの著者のキム・ワンソプさんですが、この人もこの本を書くきっかけになったのは2年間のオーストラリア生活を経験してからのようです。
というのは、韓国もその教育はかなり偏っていて、本当の歴史を教えてない。
だから、海外に出て韓国の本当のことを知ってそれで目が覚めたようです。

そこから韓国人の日本に対する態度がおかしいと思っていろいろ調べるうちに、日本も自虐史観で日本人自身が変な歴史観を持ってるということに気付くんですね。
しかしこのキムさんが指摘する日本の変な歴史観について、まだほとんどの日本人がおかしいと気付かずにいるというのが現実ではないでしょうか。

実際に海外に出て日本のことを考えるのが一番日本の本質について気付きやすいとは思いますが、こういう外国人による日本観についての本を読むことでも自分の知らない日本が見えてくると思う。

基本的には韓国の親日派に対する弁明なので韓国についての日本との関係を書いておられます。
だから日韓間の近代史についてはこの本を読めばだいたい流れは理解できる。そして日韓の近代史といえば日韓併合からが直接的な関係になりますが、その前段階の朝鮮半島の状態、日本の幕末から明治維新にさかのぼり、なぜ朝鮮半島は日本に併合されなければならなかったのか、そしてなぜ日本は朝鮮半島経営に直接乗り出さなければならなかったのか、こういう歴史的事実を偏見なく書かれてると思う。偏見とは、韓国人や日本人の中にもいますが、「日本による朝鮮の植民地化」「日本による朝鮮侵略」という見方ではないということです。

それと太平洋戦争についても当然書かれてる、この中でびっくりしたのは、アメリカによる広島、長崎の原爆投下についてです。日本では声を大にして言う人を見たことがない、というかタブー視されてるわけですが、このアメリカの原爆投下を、「アメリカの新兵器実験」だとはっきり書いてる。これはまえから僕もそう思っていたんだけどそういう意見を友達にも言えないし理解してもらえない雰囲気が日本にあると思う。原爆投下のこと調べると新兵器実験であると思える背景は確かにあるけど、日本でさえ定説ではないことを韓国人が発表してることにびっくりした。

竹島問題、これも最近では普通にニュースにもなるので多くの日本人も知るところとなりましたが、最近まで知らなかった人の方が多いでしょう。僕もあまり知らなかった。この竹島問題も詳しく経緯が書いてあり、完全に日本の領土としてあるのは当然といえば当然なんだけど、韓国人が冷静に歴史的事実を判断して書いてるところに意味があると思う。

日本の宗教観についても面白い見方をしています。日本の宗教は日本人自身があまりこだわりがないというか、普段から宗教を意識せずにくらいしてるので、あまり考えず、そして理解してない。僕は井沢元彦氏の本から、日本人は「日本教」なんだ、という意見に賛成ですが、このキムさんは日本の新道精神が上級宗教だと言ってる。そこから靖国神社、政治家の靖国参拝問題について書かれてる。とうぜん「なぜ政治家の靖国参拝が問題になるのか!?」という意見です。

そして国の独立についてです。これは全く考えたことがなかった見方でした。まあ僕は日本人なんで、韓国が独立せず今も日本のままだったら?という問いを考えるなんて想像もできなかったわけですが、キム氏はハワイとプエルトリコの例を出して、韓国と台湾は日本による統治時代があったからこそ戦後アジアの中でいち早く経済発展できたのだという見方で、さらに韓国は太平洋戦争後も日本の統治のままであったならハワイのように豊かな国になっていたかもしれない!という意見です。これにはびっくりした、あれほど日本の朝鮮併合に文句を言ってる国の一人であるキム氏が、独立せずに日本のままだった方が韓国はもっと豊かな国になっていたはずだと分析してるのには驚いた。冷静に考えると、ほんとにそうかもしれないですね、それほど韓国人の統治システムは腐敗が多いと国民は思ってるのでしょうね。

いろいろ書きましたが、日韓近代史、いや日本の近代史の本として一度目を通されることをお勧めします。

最後に翻訳者が朝鮮問題に詳しすぎる荒木和博先生なので日本語訳の本ですがすごく読みやすいです。

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