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2014年8月12日 (火)

日本史の謎は「地形」で解ける:文明文化編

日本史の謎は「地形」で解ける 文明・文化編

竹村公太郎

竹村氏は建設省で土木を専門にされていた方で、歴史家ではないです。しかしそういう人だからこそ、歴史の常識にとらわれない視点で分析することができるのだと思いますね。

歴史上のどんなことを地形から考察したかをまずは目次のタイトルで紹介しましょう。

☆なぜ日本は欧米列国の植民地にならなかったか

☆日本人の平均寿命をV字回復させたのは誰か

☆なぜ家康は「利根川」を東に曲げたか

☆なぜ江戸は世界最大の都市になれたか

☆貧しい横浜がなぜ、近代日本の表玄関になれたか

☆「弥生時代」のない北海道でいかにして稲作が可能になったか

☆上野の西郷隆盛像はなぜ「あの場所」に建てられたか

☆信長が天下統一目前までいけた本当の理由とは何か

☆「小型化」が日本人の得意技になったのはなぜか

☆日本の将棋はなぜ「持駒」を使えるようになったか

☆なぜ日本の国旗は「太陽」の図柄になったか

☆なぜ日本人は「もったいない」と思うか

☆日本文明は生き残れるか

☆ピラミッドはなぜ建設されたか

上のような歴史上の出来事を地形や気象条件などの方面から検討をしていきます。
歴史のなぜのいろいろある理由の一つに地形が大きく関係している、ということですね。地形だけがその理由ではないと思いますが、地形を見ればその必然性が解ってくるということでしょうか。

非常に読みやすい面白い本だと思います。そして納得がいきます。

いくつか簡単に紹介してみましょうか。

欧米列国の植民地にならなった理由を一言でいうと、「日本には搾取する物が何も無かった」ということですね。それとちょうど開国を迫って日本に来ていた時期に、欧米人が恐れる地震が頻発していたというのも理由に挙げておられます。
植民地化するのに利益が上がりそうになければ無理に植民地化はしないと思われますね、それに地震が絡むというのは面白いですね。
しかし僕的には植民地にならなかったのは、江戸後期の日本人が独自の文化で発展していて日本の将来を真剣に考えそれに立ち向かうことができるだけの実力をすでに備えていた、ということが大きかったのではないかと思いたいですね。

利根川と江戸の発展は、徳川家康の地形を読む能力が優れていたということなんですね。
徳川家康のやったことについてはあまり知らないのですが、頻繁に鷹狩りに出かけていた、その理由というのが、諸国の地形調査だという見方です。
そして天下統一後の燃料問題を解決できるのが森林を背後にもつ江戸であったと。
そして利根川を東に振って川を千葉側に流したのは、東北方面からの軍事的脅威を自然の川を掘り代わりにするということで利用した。
川を曲げた理由はほかにもあるのでしょうが、軍事的な観点から理にかなってるなと思いました。

信長の天下統一についてはこの本の中でちょっと趣が違っていたように感じましたね。信長については地形というより、信長自身の弱者の工夫、敗戦から教訓を得る、というような感じでしたね。

小型化と将棋の持駒は関連しています。日本人は古来から移動は自らの足で歩いて全国を回っていました。
日本以外の国では早くから移動には馬や牛やラクダとなどの動物を使っていたのとは大違いですね。
これも日本が山ばかりだという地形が大いに関係ある。
そして自分の足で移動するということは、荷物も自分で持ち歩かなければならない。そうすると、携行品はできるだけ小さく軽い方がいいということになる。
そこで日本人は何でもかんでも小さくすることにこだわったんですね。
チェスと同じ系列の遊びである将棋の駒が小さくなるのも、旅で持ち歩くのに便利なように小さくなる。そして旅の道中で将棋を指すと、早く決着をつけるために持駒を使うようになったのではないか、ということですね。これもそのような気がしますね。そういう単純なことが理由になることの方が多いでしょうからね。

ピラミッドについては、お墓ではないというのは以前に読んだ本から知っていましたが、では何なのか?というのは今まで見たことが無かった。
ピラミッドはあの大きい四角錐のしか知りませんでしたが、あれ以外にもいろんな形の物がたくさんあるんですね。
そしてこれは竹村先生の本職の治水から謎を解くことができる。
ピラミッドは川の西側の左岸に設置されている、これは川の氾濫を押さえて流れを制御する「からみ」という物の役目をしてるのだと。
しかしあの有名な四角錐のピラミッドは高台にあって「からみ」ではない。
これはナイル河口の広大なデルタで作業をするための灯台の役目をしていると。これらの見解でエジプトの学者さんを初めてピラミッドの建設の合理的な説明だと納得させたのはすごいですね。

歴史学以外の視点からの歴史本はトンデモ本もありますが、常識にとらわれないのがいいですね、しかも納得がいくことがある。

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