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2012年11月17日 (土)

日本列島に映る「古代出雲」紀行

日本列島に映る「古代出雲」紀行:保高英児

保高英児氏はザ・出雲研究会を設立して出雲の魅力を発信している方です。
この本はいわゆる古代史専門の研究者ではなくて在野の方の書かれたものです。
著者は定年間近で引退して、出雲の影を全国に追いかけて史跡を旅したということで、何ともうらやましい限りです。

訪れた土地は大隅、筑紫、伊予、播磨、丹後、丹波、越前、加賀、能登、越中、越後、佐渡、信濃、武蔵、常陸、紀伊、山城、摂津、大和です。
出雲の”影”を追うというのは古事記や日本書紀、風土記などで出雲の神”オオナモチ”の伝承がある場所や、地名や神社などで出雲やオオナモチ関連のところを訪れるということです。

北九州は弥生時代は特に重要な地域だと思いますね。朝鮮半島ー大陸への玄関口、また半島からの文化や物資の入り口として当時の日本列島で一番栄えていた地域ではないかなと思います。とくに米、水田稲作は北九州から始まったのでしょう。
出雲との関連では土器の流入があるようです。出雲人が来ていたのですね。そして出雲には北九州産と思われる銅剣が多数発見される。

四国は伊予、道後温泉です。ここにも出雲崗神社があったり、山陰系のいまだに用途不明の特殊な土器が発見されています。どういう交流があったのか、なぜ特殊な土器が持ち込まれたのか、謎だらけですね。

播磨、丹後、丹波は兵庫県の東部北部、京都の北部あたりですね。鳥取あたりまでを広く出雲圏とするならこの地域は隣の地域となりますね。
今でも残る播磨の国風土記にも出雲神が出てくるのですね。また鉄の生地としてお互い交流があったのでしょうか。

越前から越後にかけての日本海岸沿いも色濃く出雲の影があるようです。中でも出雲の特徴的な墳丘墓とされる四隅突出型墳丘墓が近年多数発見されてるのですね。いままで古墳といえば”前方後円墳”に代表される古墳に注目ばかりしてましたが、四隅突出型墳丘墓のほうが時代が上るようですね。
それに勾玉に代表される石、ヒスイは越後の原石が広く流通してます。
出雲神系の神社もたくさんあるようだし、神話でもヤマタノオロチなどこの地域はつながりが深い。

信濃から武蔵はその後の大和が東国へ向かう前の拠点的地域だったのでしょうか。生まれてこのかた、関西以外に住んだことがないので東日本の地理が弱いのにあらためて気付かされた。信濃は大和の前には東海の影が残るようです。

紀伊、山城は出雲系の神々の影が濃いようです。

摂津の国は現在の大阪北部と兵庫の南東部です。瀬戸内海を通る流通ルートの重要地域です。神戸の西求女塚古墳では出雲とのつながりを示す土器が発見されたとか。この本では瀬戸内海地域は摂津と播磨、伊予で、備前、備後の岡山地域が全く触れられてないのはどうしてかな?と思ったけど、この地域には出雲の影がないということか?

そして大和。古代都市があった可能性が高くなった巻向地域周辺には三輪山に”オオモノヌシ”がいて、桜井には”出雲”という地名が残り、山陰系の土器も多量に出る、という風に非常に関係が深そうです。

そして保高氏はこの出雲の影を訪ねる旅に出る前は、邪馬台国の九州説か大和説について中間な立場だったのが、大和説に完全に染まったそうです。大和説をとるぼくも嬉しいです。
これは出雲を通して日本海ネットワークの痕跡を見ることができたことや、当時の大陸が九州だけを見ていたわけではなく、必ずその奥の西日本地域やさらに東まで視野に入れていたに違いないと思われるからだということです。

ぼくもいろんな史跡を全国に訪ねてみたい。幸い著者と同じく摂津の国に住んでるので、大和は近く比較的行きやすいのでできるだけいろんなところに行きたい、と思ってるだけでなかなか行けない。

今回、この本では旧国名で書いてあったのですが、なんとなくはわかっても正確な旧国名と現在の行政界とが理解できてないのでなんとか頭に入れたいと思った。

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